第43章 店主
「はぁぁぁ」
堀川「……なにかあったのなら外に出てみるのもいいと思いますよ」
「堀川くん……」
堀川「部屋にこもっていても気分は晴れませんし……主さんがそんなんだと心配する人もいるんですから」
「え!堀川くん心配してくれてるの!?」
堀川「寝言は寝てからいうものですよ。僕じゃなく石切丸さんとか心配すると思いますよ」
「……そ、ですね」
石切丸さんの名が出ると途端にモヤモヤするようなよくわからない気持ちになる。
恋心とかそんなあまったるいものではなく……
「よくわからないから苦手なんだよね……」
堀川「何の話ですか?」
「こっちの話、それで外に出るってことは短刀達と遊べば心も癒える、と言いたいの?」
短刀達がひとつのボールを巡ってわいわい遊んでいるなかに交ざるというのも癒されそうなシチュエーションではあるけど……
堀川「そうじゃなく、買い出しとか」
「……」
堀川「めんどくさいな、みたいな顔しないでください」
「そこまでは思ってないけど……外に出るの、ちょっと苦手で……」
堀川「そうやって外に出ないから色白って言われないで死人みたいな肌してるって言われるんですよ?」
「死人みたいなって失礼だね」
正直、外に出るのは苦手だ。
疲れるし……夏は暑くて冬は寒い。
そして虫とかいるし人はいるし……外なんていいところではない。
堀川「ほーら、いつまでも兄弟みたいにうじうじしてないで万屋に行ってきてください。十分後に玄関前に集合、いいですね?」
「さりげなくまんばくん貶してない?」
堀川「僕は名指しはしてないですよ?それで誰か、なんて名をあげるなんて主さん、兄弟のことうじうじしてるなんて思って……」
「着替えてきまーす!」
堀川くんの倍返しから逃げるように自室に走った。
怖い、堀川くん怖い……