第43章 店主
「着替えるといっても……これしかないもんね」
可愛くおしゃれ、なんてできるわけもなく一番まともな巫女服で玄関の前に立っていた。
太陽光を浴びていると暑いのでとりあえずなかに入って待つがなかなか来ない。
堀川くんともあろうものが着替えてて遅れました、なんて言うわけが……言ったらそれはそれで可愛くていいけど
私はお財布だけを持って、まだかな、まだかな?と待つこと数十分。
燭台切「あれ……主?」
「燭台切さん……?」
どこかに出掛けるのか、燭台切さんが現れた。
頼りない主でも出陣とかそういうものはちゃんと言ってから行くし、何も聞いてないということはプライベート的な用事なのだろう。
もしくはお買い物か……食事のことなどは任せているが、大金持ちでもないので節約しながらとても美味しいものを作ってくれるからずっとありがたいと思っていたので、何かお礼しないとな……
「これからお出掛けですか?」
燭台切「あぁ、うん。堀川くんが買い物に行くなら玄関のところに置いてあるものを持っていってほしいと言ってたんだけど主は何か知らない?」
置いてあるもの……?
きょろきょろと回りを見てもそれらしきものはない。
あるとするなら花瓶に生けられたお花とか……靴、とか……
なんだろうと考えていると燭台切さんが私のことをじーっと見つめてくるのでなんだろうと首をかしげる。
燭台切「主はここで何をしていたんだい?」
「私は堀川くんに…………ん?」
燭台切さんは堀川くんに玄関にあるものを持っていくように言われ、私は堀川くんに玄関で待つように言われた……まさかこれって……
燭台切「堀川くんが言ってたのはまさか……」
「……でしょうね。邪魔にはならないよう気を付けますので……よろしくお願いします」
そして私は、物として燭台切さんの買い物のお供をすることとなった。