第41章 嫉妬心
暗闇。
どこを見ても暗闇で、自分がどこを向いているのかすらわからない……。
いや、動いているのかすらわからなくて恐怖や不安よりも不思議な感じがして少し気持ちが悪かった。
音も聞こえない、光も見えない、自分が……生きているのかすらわからなくなる世界だ。
そう思っていると、どこからか小さな音……声が聞こえてきたので首を傾げそうになる。
傾げるという感覚もないけど。
そうすると今度は小さな光が見えてやっとこそ自分の手を認識するに至りゆっくりと光に向かって歩くと声も大きくなる。
光が見える場所が必ずしも正しい道とは限らないけど、私は進んで光に向かって進んだ。
振り返らない。
私の世界はあの光の向こうになる気がするから……