第40章 愉快
「さて、と……一度あの新人を連れて遊びに行かなあかんな……」
いつやめるか知らんけど、一応挨拶はさせとかんな、お上に怒られるからなぁ。
あのでっかい本丸も、本来はどこぞのご令嬢のためにキープしとったものを俺が横取りしたことで、こっぴどく叱られたからな……義理クビは免れたけど。
「……どないしよっかなぁ」
送られてきた複数の報告書の中からあの子の報告書を手に取る。
きっちりとしたお堅い内容ではあるが順調に審神者やってますぅっていうのがよくわかる報告書ではあるが……
「もっと誰々とヤったとか襲われたとか、そーいうこと記載してほしいんよなぁ……」
石切丸はあの子に並々ならぬ執着を見せとったし、すぐ事に至るだろうっちゅーことはわかっとったけど……んー、三日月、小狐丸……いや、意外に一期一振辺りとか……。
自分の欲を抑え、刀達に迷惑をかけまいとあの飴を食べて接触を避けてるって感じか……。
「んー飴玉やるんじゃなかったか……?いや、あれがないとすぐ壊れそうやし……我慢強い子やなぁ……現世での出来事で鍛えられたんやろな」
まあ、そこは仕方ないと思うことにして審神者の協力要請も受け、刀達のことを考えての編成……畑に馬に……掃除にちゃんとできてはいるが新人にしては優秀すぎで違和感を感じられる。
つまりは……近侍やな。
長谷部辺りがやってるんなら納得……長谷部か、長谷部とは何もなかったんかなぁ。
二人きりでおったらそういうことが起きても……長谷部とはいえ個体差があるし、ヘタレなら何もない、か。
「……とりあえず、遠征もしてるし問題……演練しとらんな。審神者の集まりにも不参加やろうし……買い物も通販ってところか?」
…………なんや、この子……引きこもってるやん。
外部との接触を避けてる引きこもりやん。
あかんなぁ……
「……注意がてら遊びにいったれ!」
ほんで、ちょっとした嫉妬心でも感じにいきますか!