第2章 仲間
「特別な手入れとは……接吻、つまりはキスのことなのですが」
?「……は?」
ずっと無口だった色黒さんが初めて声を出した。
寝ていたわけじゃなかったんだ……。
燭台切さんも私の発言にぽかんと口を開けてしまっている。
「い、今は手入れのための資材や道具がないので特別なやり方でしか手入れができないんです。肌に触れて霊力を流し込むことで癒えたりもするんですがそれでは時間がかかりすぎて他の人の手入れができないというか……」
言ってることは嘘偽りのないものでも、いきなりキスさせろなんて言う女子がいたら私だって驚くし逃げたくもなる。
だから二人の反応には納得できるのだが……なんだか変態扱いされないか気になってしまうな。
もし、そう思われたとしてもあだ名をつけられたくらいに前向きに考えようかな。
「……嫌ならば時間はかかりますが、その他の方法ですることもできますので」
燭台切「え……効率を考えるとキスがいいっていうのは理解したから……主が嫌でなければ僕は構わないよ」
……優しい。
優しすぎて泣きそう。
清光の方に頑張ったよと目で伝えようとしたが、相変わらず清光はむすっとしていて不機嫌そうだ。
なぜだろう……初対面の人に頑張って説明して理解を得られたのに、どうせなら清光に喜んでもらいたかったが清光にも色々あるんだろうな。