第39章 吸血
「一生は無理だけど……もうしばらくは長谷部に任せようかな」
長谷部「そうですか……」
さすがに近侍を一生は認められない。
長谷部を近侍にして思っていたが意外と近侍の人といることが多いのでこれは特定の刀剣男士と仲良くするためのいいきっかけにもなるのだ。
だから今度は距離を感じる誰かを近侍にしたいのだけど……今は長谷部に任せよう。
こんな叱られた犬のようにしょんぼりされると近侍を外すといったとき、どうなるか……私も覚悟を決めて言わないといけないな。
「じゃ、もうそろそろ夕飯だしお風呂に入ろっか」
長谷部「い、一緒にですか!?」
「そんなわけないでしょ……ほーら、夕飯前にシャワーでも浴びてくる。私は小さい方を使うから長谷部は大浴場にいってらっしゃい」
長谷部「は、はぁ……」
二人で立ち上がると私は長谷部の背をぐいぐいと押してやった。
今さらではあるがあまり二人きりという状況はよくないのよね。
お互いあの日のことは忘れましょうって感じで話題に出すことはないが私の体質がいまだ健在なことを考えるとまたあんなことになって長谷部を傷つけるのは避けたいのだ。
そろそろ飴玉食べなきゃだし……
長谷部「ならば途中までご一緒しませんか?」
「んー……そうだね。途中までなら大丈夫かな」
途中で分かれるがそれまで一緒でも問題はないだろう
飴玉の入った瓶の蓋を開けようとしたが、どうせお風呂で熱をあげるのなら上がってから食べた方が効果あるかな……。
飴玉の効果の説明は聞いたけどあの人の説明じゃ納得できない部分もあるし、身体の温度が上がれば強制的に発……そういう気分にならないとは限らない。
今まで飴玉を食べてから入ってたからなにもなかっただけかもしれないので飴玉無しでお風呂に入って試してみる価値はある。
とりあえず飴玉をひとつだけ持っていこう。
「じゃ、いこうか」
長谷部「はい!」
……簡単な話、この体質がなくなれば一番いいんだけどな。