第38章 女子力ってなんですか
「ふぅ……とりあえず今後は女子力というものあげていくよう努力しますね」
次郎「そうそう主は女の子なんだから可愛くしなきゃ勿体無いよ」
「……ありがとうございます」
彼らの美しさに容姿を気にしていたときもあったが、そんなことよりもみんなに警戒を解いてもらう方が先だったからいつのまにか見た目についてなにも考えなくなってしまったけど……面と向かって可愛くするべきと言われるとくすぐったい気持ちになる。
現代にいた頃にも多少は見た目に気を付けていたけど、それは親のため。
あの二人の子供である私はいつだってそれ相応の恥ずかしくない格好を強いられていた。
私の評価が二人の評価にも繋がると……そんなわけないのにね。
次郎「……主」
「…………あっ、は、はいっ!って近っ……」
また考え込んでいたようで気づけば次郎さんは隣にいて私のことをじっと見ていた。
うわ、顔綺麗。
「あ、あにょっ……な、なにか……?」
次郎「アンタってたまにそういう顔、するよね」
「……そういう……?」
次郎「悲しいそうな……いや、寂しそうな、そんな顔だよ」
寂しそうな……?
自分の顔をペタペタ触れてみるがよくわからない。
寂しそうだなんてそんなことないのに。
変なの……。
「……次郎さんがそう見えたと言うなら否定はしません。けど私にはなぜそう見えたのかわかりません……寂しいなんてこと、ないので」
強がりではない。
私は本当に寂しいなんて思ってない。
彼らに出会ってから驚きや嬉しいという感情を教えてもらえたが寂しいと感じることはなかった気がする。
次郎さんがそう見えたなら私は否定するつもりはないけど……寂しいなんて思われているなんて不思議だ。