第38章 女子力ってなんですか
次郎「もっとお洒落をするべきだよ主」
「んーそうですね……見た目を気にしつつ……生活態度ってやつも何とかしなきゃね」
服のセンスとかないから、なんかアンバランスな格好になって余計に女子力低下しそうだし……化粧なんてどうすればいいかさっぱりだからおばけになる可能性が……。
「……見た目より中身で勝負しようと思う!」
長谷部「(主が諦めた……)」
次郎「そんなこと言って……うやむやにするつもりかい?」
「うぐっ……」
うやむやにするつもりは大いにあった。
私には恋とか愛とかお洒落とかよくわからないのだ。
逃げるのはよくないと思うけど時には逃げたくなる。
苦手分野を克服するのはそんな今すぐじゃなくてもいいと……私は思います。
「と、とにかくこの話は終わり!そのうち頑張りますから!長谷部お茶!」
長谷部「すぐに!…………あ、主」
長谷部の近くにあったポットから急須にお湯を注ごうとしたのだろうが……どうやら空になってしまったようだった。
そんな飼い主のお願いを聞けなくて悲しい、みたいな子犬の目をして見てこられると……悪いことをしたように感じるからやめてほしい。
「お、お茶はいいや……何かお話ししていよう?」
長谷部「いえ、すぐにお湯を沸かしてきます!」
「え!いや……本当大丈夫だから!ここからじゃキッチン……えっと、台所的なところ遠いし!」
話を終わらせるために勢いでお茶と言っただけであってすんごく飲みたいというわけではない。
なのに長谷部に説明する前に彼はポットを持ってどこかに行ってしまった。
お湯を沸かしてきますってことだし、行き先はわかっているけど……。