第2章 仲間

「あ、あのね清光。キスは大事な人とするものだよ……私と清光は知り合ってそんなに経ってないしお互いのことをよくわかってない関係の浅い……関係で」


どうしよう。
これなんて説明するのが正しいのだろう。

清光は確かに大切な人ではある。
でもキスをするほどの親密な関係でもないわけで……


加州「でも、俺は主のこと好きだよ。好きになるのに時間なんて関係ない……心が主を好きだって、触れたいって思うんだ」


本当どうしよう。
こんなにも純粋な想いを聞かされると説得するのにも一苦労だ。

告白はされたことはある。
新しいものなら先輩にだ……確か、あのときは私のミステリアスなところに惹かれたとか言ってたけど即振ったからね。

私にとって先輩は女子からモテているという噂の先輩で、まったく交流もなかったので、知らない人といきなり付き合うなんて無理と感じたのだが……清光は知り合ったのは数時間前。

ほとんど知らない人なのかもしれないが……。


加州「俺とするのは……嫌？」


これを、どう断れと。

鯰尾に助けを求めようと視線を向けると、どこかにやけた笑みでこちらの成り行きを見守っている感じが、ちょっと腹立たしい。


これ、助けを求めようものなら清光の後ろについて余計ややこしいことになりそうだから放置しよう。


「わかった。清光がそこまで言うなら……」


加州「主……」


「でも、今はダメ。私には刀達を癒す役目があるの……だから落ち着いたころに、ね？」



とりあえず今は保留ということにして、考える時間を与えてもらおう。

けど……嬉しそうに笑っている清光を騙しているようで、とてつもなく胸が痛む。

でも私は、誰とでもするような軽い女にはなりたくないのだ。