第35章 マッサージですよ
今剣くんに続いて粟田口のショタ……短刀達も私のそばに集まってくれると嬉しくなるような言葉をたくさん言ってくれた。
こんなに好きなど言われたのは初めてなので瞳が潤んでくると、私はたまらずその部屋から出ることにした。
心配をかけてはいけないと思って一応、お手洗いということは伝えておいたが……これ、すぐには戻れないかもな。
「少し歩けば落ち着くかな」
この本丸、屋敷は広いので周りを一周くらいすれば多分落ち着くだろう。
短刀達は本当に優しく純粋で眩しいほどの存在だ。
可愛いな……。
「……でも、やっぱり……殺気、みたいなのを部屋のどこから感じる……」
そう、前にいた本丸の時からよく感じていた殺気が今でも感じるのだ。
こっちに来てから多少はみんなも心休まるひとときを過ごしてくれているのはわかるのだが、どこからか感じる殺気のようなものが消えてくれないのだ。
まだ私をよく思ってない人もいるってことは寂しいがそこは仕方がない。
逆にすぐに信用されてもこっちが警戒してしまうし……まあ、短刀達に好かれて嬉しいので短刀達に関しては警戒なんて空の上って感じてはあるけど……
「……三者面談……は違うから、お部屋訪問して一対一で話し合うことが必要かな」
みんなの本音を聞き出すのも大事だ。
前の自分なら話さず関わらず遠ざかるを徹底していたが今は彼らと仲良くするためにできることをするべきだ。
スマホのなかに入ってる刀帳を見ながら順番に訪問して、どんな感じかを政府の人にもらった紙の刀帳に書けば……うん、好きな食べ物とか趣味とか書いておけば忘れないし、今後のために役立つかもしれないからそうしよう。
「……前任のこともあるから私も気を付けないとな……」
距離感を掴まないと……。
審神者同士の会議とかで話せる人がいたら他の本丸ではどうやって仲良くしているのか聞けばいいよね。
「よし、頑張るぞー!」
空に向かって叫ぶとちょっとスカッとしました。
燭台切さんのおかげで心のマッサージできたの……かな?