第35章 マッサージですよ
「ご、ごめんなさい……」
燭台切「うん、よくできました」
今までの自分の発言を思い出せば、とんでもなく恥ずかしいことを言っていたことになるのだが今はそれよりも燭台切さんに謝ることにした。
審神者でありながら知らなかったとはいえ彼と……まぐ…………そ、そういうことをしてほしいなどと言ってしまったのはあまりにも失礼なことだった。
燭台切「これからはちゃんと考えて発言しようね?」
「了解です……鶴丸さんに聞かれていたら腹を抱えて笑ってそうですね……」
燭台切「そこまではしないと思うよ……」
いや、この大福餅なら言葉の意味を理解した上で私にちょっとした意地悪を仕掛けてくるはずだ。
……そんなことができるくらい早く元気になってほしいな。
手を伸ばしておでこの辺りを撫でると私はそのまま元気になりますようにと念じた。
お願いも大差ないが念じた方が早く元気になってくれそうな感じがする。
燭台切「……鶴さんのことが心配?」
「……まぁ、彼に限らず誰かが怪我をしたら心配するに決まってます」
それも刀剣男士に限定されているけど。
これからも彼らはたくさんの傷を負いながら戦いを続けていくんだと思うと悲しくなる。
それが彼らの役目とは理解しているつもりでも、心は素直で……感情を殺す。
それができたならなにも考えずに審神者業を続けられるのだろうか。