第34章 怪我人
「どっこいせっ……あ、二人とも鶴丸さんを運んでくれてありがとう」
燭台切「それはいいんだけど……地下なんてあったんだね」
重たい資材をいくつか運ぶと一息つく。
こんなに重たいものをよく持って帰ってきてくれたな……
「乱ちゃんが見つけてくれたの。私もさっき確認したばかりで……」
ちらっと燭台切さんと伽羅ちゃんを見る。
中傷といかずとも軽傷くらいの傷は負ってそうだ。
軽傷くらいなら自然に治るのを待つべきなんだろうけど……我慢できないので治してしまおう。
「二人とも、鶴丸さんの手入れが終わったら傷を負ったみんなの手入れをするからね?」
燭台切「え、これくらいなんてこと……」
「小さな傷にバイ菌が入ればこんなちまっちいことでも大きな事態に発展する可能性があるので異論は認めません」
指でこんなに小さいの、っと親指と人差し指で輪を作るようにして説明していると、燭台切さんはすぐに諦めたように暖かい眼差しで私を見つめてくれるが隣の伽羅ちゃんが嫌そうな顔をしているのがすっごく気になった。
手入れを嫌がるなんて私が嫌いか、手入れが嫌いなマゾさんしか考えられないが私を嫌ってはいないと思うから……なら、伽羅ちゃんって……
「……ま、先に鶴丸さんを復活させないと。燭台切さんこの資材の使い方ってわか……あ、あのその……え、主知らないの?みたいな顔するのはやめていただけると……」
燭台切「ご、ごめん……あのね主。資材は何も必要なときに持ってこなくても主が念じるだけで勝手に……」
「ま、待って!それ以上は言わないで……」
その先を言われたら……せっかく重たい思いをして持ってきた私がバカな子に思えてくる!
だから……言わないでほしい。
燭台切さんは慰めてくれるように頭をぽんぽんと撫でてくれるがその慰めは今の私には暖かすぎた。