第33章 部屋
「今日のところは終わろうか……」
乱「ごめんね……ボクがあんなこと聞いたから……疲れちゃった?」
「大丈夫……大丈夫……気になるのも仕方ないよ」
乱ちゃんに修羅場とはどういうときに使う言葉なのか教えてから私たちは階段をあがって外に出ることにした。
手入れ部屋とかがある以上、利用することも多くなるだろうしみんなにちゃんと言っておこう。
なぜ地下に作ったのかは私にはわかりはしないがそれなりの理由があってのことだろう。
「……気にしない方が、いいよね」
ここにいた前の主はとても優しく暖かい人だとは聞いていても知りすぎるのはよくない。
私はただここを譲ってもらっただけの審神者なのだから前に住んでいた人のことは……
乱「あるじさん……?」
「……あっ……そ、それじゃ私の部屋はあっちだから……」
乱「うん……?それじゃあねあるじさん」
つい考えてしまって乱ちゃんと一緒だということを忘れそうになった。
何事もなかったかのように笑顔で手を振ると少しばかりなにか気になるような顔をしていたが乱ちゃんもなにも聞こうとはせず笑顔で手を振り返してくれた。
話して悪いものではないが……乱ちゃん達の前の主を思い出させるような話題は避けておくべきだろう。
精神的にも身体的にも傷つけられていたのにみんなはなんで笑ってくれるのだろう。
怯え、疑心、殺意……なかには私に対してそういう目で見てくる刀はいる。
あえて気づかないようにしているが、私は人間で審神者なのだ……今は何かしてくる人はいないが私が少しでも怪しい行動をとれば斬りつけてくる者はいるだろう。
信頼なんてそう簡単に得られるものじゃないもんね……。