第33章 部屋
とある美少女にとんでもないことを聞かれた。
「い、あッ……え、なッ……なんで?」
乱「ずーっと気になってたんだけどなかなか聞けなくって……それであるじさんはやっぱり石切丸さんの……」
「ち、ちょっと待って!やっぱりってなに!?あの人とはそんな特別な関係、じゃ……」
もややんと、思い出してはいけないことを思い出してしまい顔に熱が集まってしまう。
きっと今の私の顔は真っ赤かに違いない。
隠そうにも隠したところでバレるだろうし、ここにいるのは乱ちゃんだけなので適当に言っておけば逃げられ……
乱ちゃんは期待しているようなきらきらとした瞳でこちらを見つめている。
あの目、知ってる。
女子が輪を作って誰が誰を好きかって話すときの……恋バナをして、はしゃいでいる女子の目だ。
輪に加わったことはなかったがまさか自分が標的にされるとは……。
「うぅ……」
下手に嘘をいってもバレそうだし、今は信じてくれたとしても嘘を吐いたっていう事実が私を苦しめてくるはずだ。
できることなら彼らに隠し事や嘘は吐きたくないのだが私と石切丸さんの関係なんて……
「み、乱ちゃん……私と石切丸さんは……主と刀という関係で……」
乱「え?恋人じゃないの?鶴丸さんが言ってたよ。あるじさんは石切丸さんのこれだ、って」
小指を立てて首をかしげる乱ちゃん。
あんっの……大福餅、何てこと言って……いや、教えてるんだ。
乱ちゃんの手に触れて小指を立てないの、と言っておく。
「……そ、それは違うから!あの人は恋人じゃないの……えっと…」
石切丸さんとの関係を説明しようにも、はっきりとこれだと言えるものがない。
仲間、というのは許可もなくそんなこと言えないし家族も……違う。
友達でも恋人でもない……なら、何なんだろう。
「……主と刀、としか言えないかな」
乱「……あるじさん……修羅場?」
「そんな言葉どこで覚えたの。違うからね修羅場というのは……なんだろう。戦争することかな?」
私自身も修羅場というのはよくわかってない。
この泥棒猫が!みたいな一人の男を複数の女性で取り合うのが修羅場というのだろうか……よくわからないな。