第33章 部屋
乱「あるじさんって……変な人だよね」
「うっ……け、結構ストレートに言うんだね」
本丸の請求については考えても仕方ないと思って何か珍しいものがないか見ていると唐突にそんなことを言われた。
変人扱いされるのは慣れているが乱ちゃんのような純粋無垢そうな子に変人扱いされるのは……ちょっと傷つく。
「ごめんね……変な主は嫌、かな?」
乱「そんなことないよ!あるじさん、優しいし……あったかいし」
「乱ちゃん………」
乱「ボクはあるじさんのこと大好きだからね!」
変人だと落としてから大好きの一言で上げる……すごい技だ。
でも本人はそういうことを考えて言ってるんじゃなくて純粋な思いから言ってくれていると伝わるので正直……泣きそうなくらい嬉しかったりする。
私、ちゃんと審神者できてるのかな……。
「ありがとう、乱ちゃん……本当にありがとう」
乱「……ううん、ボクの方こそありがとう。ボク達のことを、見捨てないでくれて」
「見捨てっ……そんなことしないよ!乱ちゃんたちはかわいいし、いい子で素直だもん……」
こんなにかわいい子を捨ててたまるか。
三日月さんでも鶴丸さんでも私の大事な人たちというのは変わらない。
例え嫌われていたとしても私は彼らを愛したいし守りたい、この気持ちは嘘なんかじゃないんだ。
「なんかやる気が出た!乱ちゃん今日は一緒に地下の中を歩き回ろう!」
乱「やっぱりあるじさんって変な人だよね……」
「改めて言われると傷つくな……」
その後、乱ちゃんと手入れ部屋のなかを観察したりしたが手入れ道具と布団、机以外は何も見つけられなかった。
まあ、手入れするための部屋なんだし当然かな。