第33章 部屋
「……布団?」
部屋の中はそこそこ広く敷き布団一式と小さなテーブルが一つあるくらいだった。
そして不思議なことに和室。
地下なのに和室……。
乱「あれ……これ、あるじさんが欲しがってたやつだよね?」
「私が……?えっと、何かな」
乱「ほらお手入れセット」
お手入れセット……なんのだろう。
髪の手入れは今でもちゃんとしているが特別なシャンプーはほしいなと思ってはいたけど……じゃなくて。
乱ちゃんが手に持っているものは……刀の手入れとかに使う綿棒の大きい版と言える……あ。
「みんなのお手入れのやつか!」
乱「え!なんだと思ったの?」
「え……あー……うん。もちろんみんなのお手入れのものだと思っていたよ!」
乱「そう、なんだ……?」
首をかしげながら見つめられるとなんとも言えない気持ちになる。
最後にはちゃんと気づけたし嘘は言ってない、はず
「そ、それよりここにそのお手入れセットがあるってことは……ここが手入れ部屋ってこと?」
乱「そうかも?」
「でも地下が手入れ部屋って……」
前にいた主さんの趣味なのだろうか。
とても暖かく彼らに信頼されていたような主だというのは本丸内を散歩していただけでも察することはできたが……ずっと思っていたことだが本当に大きな本丸だ。
地下もあって部屋の数も多くてお風呂……大浴場も庭も立派で……相当な金持ち審神者だったのだろう。
そんな主の本丸の後を私みたいな要領の悪い、貧乏審神者が受け継いでしまうなんて祟られたりしないだろうか。
現実問題、政府の人に高額な請求をあとからされて……