第33章 部屋
「はぁぁぁぁ」
政府の人に言われたことを思い出すと大きなため息が漏れる。
体質のことはどうにもならないって……付き合っていくしかないと諦めるほかないのだが、正直嫌である。
審神者になる前までは人とのコミュニケーション能力が欠落してぼっちでいろいろ悩まされていたのに、まさか審神者になって体質に悩まされるなんて……それもとても厄介な。
「男を惑わせる、か。つまりは無意識に媚薬的なものを放出してるってことだよね……危険物じゃないか」
媚薬という存在は知っているが実際どんなものかわからない。
猫でいうまたたびみたいなものだろうか……あれも猫に使って喜んでいる飼い主さんがいるが……あれも危険物だからな。
猫の頭をおかしくさせる麻薬みたいなものだし……ある意味暴力……いや、今はそうじゃない。
私の存在が麻薬なら……やはり危険だ。
ごろんと寝転んで天井を見つめると私はまた大きなため息を吐いた。
「……審神者との交流で情報集めくらいはしておこうかな」
私と同じことになっている人が絶対いないとは限らないのだ。
審神者同士でなんか交流会みたいなものがあると聞いたし、その時にさりげなく……
「あ……私、コミュニケーション能力が欠落してるんだった……」
どうしようか。
お供として鯰尾か……鶴田さん……鶴丸さんを連れていけば多少はフォローしてくれたり……不安になってきた。
乱「あ、あるじさん!今いい!?」
「ふぇ、は、はい!ち、ちょっとまってね」
襖の向こうから声がしたので急いで起き上がり服や髪やと整えて燭台切さんに買ってきてもらっていた眼鏡をかけてから襖を開けると瞳を輝かせた乱ちゃんがいた。
久しぶりに見ると眩しいな……さすがは美少女。
いや、美少年?
最近気づいたのだが……乱ちゃんはこんなに可愛くても男の子、なのだ。
刀剣男士なんだから当然か…男士、だもんね。
「えっと……どうかしたの?」
乱「地下を見つけたの!」
……地下?