第2章 仲間
加州「主、ここにい……あ、主!」
「ふへ……?」
距離が近くなることで唇同士が触れ合いそうになり、このまま流されても、なんて考えていたところで襖が開いたかと思うとそこには清光の姿が……。
「き、よみちゅ……」
加州「うわ、主なにその顔!真っ赤も真っ赤!」
三日月「あぁ、加州か。久しいな」
加州「あ、うん。じゃなくてなにしてんのさ!主に変なことしてない!?」
「だ、だいじょーぶ……だ、からッ、助けてぇ」
加州「全然、大丈夫じゃないじゃん!」
清光のお陰で三日月さんから離れることができると私は半泣きで清光にしがみついた。
なんか甘かった。
甘くて甘くてドロドロなハチミツを口に突っ込まれたようなよくわからない感じ。
うまく言葉にし難いが……今言えることはとにかく、恐ろしかった。
大人の色気怖い、自分にその気がなくても流されそうになる。
ヤバイ、怖い恐ろしい。
三日月「なにもしていないぞ?少し手入れをしてもらっていてな」
「っ……み、みかじゅきしゃんッ!三日月、さん…私にああいうことをして迫るの禁止です」
加州「え!迫られたの!?」
「清光、ちょっと待って……あ、あと名前教えてからずっと名前を呼ばないでください!ご自身の美声を自覚してください!名前を呼ばれるのは嬉しいですけど……ゆっくりと慣らしてください」
三日月「なに、名前を呼ぶ度に動揺する姿が愛らしくてな」
やばい。
この人危険……激レアの人、恐ろしい。
耳に残る三日月さんの囁くようなあの声が今でも聞こえてくるようでゾクッとした。
艶があって、綺麗な声で……思い出しただけで身体が熱くなってしまう。
片手は手袋越しだったとはいえ、もう片方は素手だからか余計に意識して……今は考えるのやめておこう。
加州「あ、主……?」
「……ッな、なにかな清光?」
顔をあげて清光を見ると、なぜだか赤面していた。
なぜだろう……?