第2章 仲間
「では、軽傷かもしれないので手入れをさせてもらいます……キス以外の方法で」
三日月「ははは、なつみはじじぃとはしたくないか」
じじぃって、こんなお美しいおじい様がいてたまりますか。
三日月さんは楽しげに笑っているがどことなく本心は隠しているようにも思えるので彼の言葉もどこまでが本心なのかわからなくて頭を抱えそうになる。
対応を間違えたら死が待っていそうな感じが落ち着かないな。
「とりあえず、お手を拝借……」
手を取ると、手袋をしているので取ろうか迷ったが大丈夫だろうと握手をするように手を握ってみるが鯰尾とは違う手の感触。
体温も違うのか鯰尾の方が暖かい。
手袋があるから温もりを感じられないのかな?
でも、鯰尾のは男の子の手で三日月さんのは男の人の手だ。
小学生の時にしか同世代の男子の手を握ったことしかないが大人の手、とかそういうのはわかる。
うまく言えないが……いやらしい手だ。
三日月「なつみ……手からよく伝わるぞ。鼓動の早さが」
「っ……ま、まじですか」
三日月「とくん、とくん……と、伝わってくる。なつみの顔を見ているだけでも、何を考えているのかわかるがな」
あれ、本当に大人って……やらしい。
手入れをしなくちゃいけないのに鼓動が早くなって流し込むことができない。
あ、あれ、送り込むだっけ?
三日月「片手では足りぬぞ。これなら……手入れとやらをできるのではないか」
あえて片手しか握ってなかったのに三日月さんは口で片方の手の手袋を取ると空いていた手まで握ってきた。
その手袋の取り方、すごくいやらしい!!
両手を、それも鯰尾にしたときみたいに指を絡ませられると顔中に熱が集まる。
綺麗な指とか大きな手とかいろんなことを考えて頭がパンクしそう……。
三日月「どうした。もっと強くした方が良いのか?それとも、より近く……」
身体を密着してきた三日月さんに私は堪らず泣きそうになった。
無理、近い、苦しいッ……!!
三日月「なつみ……」
「ひぇッ…」
耳元で名を呼ばれドキッとしてしまう。
あれ、これちょっとヤバい気が……。