第29章 疲れましたね
「とにかく、一週間程度は部屋にこもるので……また会える日までお元気で」
歌仙「別にこもらなくても……」
「いえ、これは私のためでもありますから。大丈夫です、次会うときには少し成長した私と会えますから」
ペコリと頭を下げて私は自室にへと向かう、前に長谷部の部屋を探した。
あれやる、これやると宣言してからなにもできてないのだ。
地盤を固めるって感じで何か一つでもやり遂げないと中途半端な審神者と思われそうだ。
そのためには近侍の長谷部に協力を……どんな顔して会おうかな。
最後に会ったときのことを思い出すとなんとも言えない気分になる。
仲直りするために空いた時間に長谷部を連れて本丸内を改めて歩き回ってやろうと考えていたりもしたが宗三さんとのことでそれはできずに終わった。
だが、今度こそ長谷部に会わないといつまでもこのままだ。
あれは私が悪かったんだし、ちゃんと謝って……許してくれるだろうか。
「平手打ちくらいなら受けても……でも痛そう……」
伽羅「…………」
柱におでこをごっつんこして考えている私を見ている視線を感じながら私を見ていた人はすぐにその場を去ろうとしているのが気配でわかった。
「伽羅ちゃん、挨拶してくれなきゃ寂しいです。情緒不安定なのでほんの少しお話に付き合っていただけると……」
逃げられる前に捕まえてやろうと近づこうとすると、伽羅ちゃんの表情は……
「うわっ、すごい嫌な顔してる」
伽羅「馴れ合うつもりはない。他をあたれ」
「私は伽羅ちゃんと馴れ合いたいです」
伽羅「……あんたに用はない」
「他の人になら用があるんですか?」
伽羅「…………」
「無言の圧力怖いです」
伽羅ちゃんは無口なクールさんではあるが、こういうタイプは今までいなかったので話すのは少し楽しかったりもする。
まあ、あっちからしたら迷惑な話なんだろうけど……