第28章 お預け ☆
「どうですか。綺麗とは思いませんか……深紅の瞳は」
宗三「くっ……ふしだらな女ですね貴方はっ」
「小娘ごときにお美しいお顔を歪ませ頬を桃色に染める宗三さんは一体何なのでしょう……?」
にやぁっと笑いお互いの吐息がかかるくらいに顔を近づけると宗三さんは苦しそうに顔を歪める。
そんなお姿ですら美しいから美人っていいよねと思ったりもした。
もう少しだけ困らせてもいいだろうか……?
私を小娘呼ばわりしたことくらいは後悔してもらわないと……もやもやが残ったままになりそうだ。
「ほらほら、宗三さん……私が発情しているのなら今の宗三さんはどうでしょう。私と同じ発情してますよね……?小娘と同じ、ね」
突き飛ばされたりされるかな、なんて思っていたがそういうことはしないようだ。
それは主だからなのか……そんなことをしなくても私をどうこうできると思っているからなのだろうか……
宗三「あなた……歪んでますねっ……」
「宗三さんには言われたくないですよ……ひねくれもの……っ、う……や、りすぎた……」
もう少し遊んでいたかったが、ただでさえ限界近かったものを他に集中することで抑えていたがそう何度も我慢できるものでもない。
治まりつつあった鼓動がまたもどくん、どくんと大きくなっていくと私はたまらず胸元を押さえて宗三さんから身を引けばそろそろ五虎退くんが飴玉を持ってきてくれる頃だろうと胸を押さえたまま襖に手をかけると……
宗三「僕にあんなことをして自分は無関係とでも言うつもりですか……?」
目元を手で覆われたのか、視界が真っ暗になって何も見えなくなる。
背に感じる温もりと、色気を感じさせる声にぞくっとした。
これ、ヤバイやつ。