第28章 お預け ☆
宗三「……なんですか、吐きそうなんですか」
「そうストレートに聞かれると……ちょっと気分が悪いだけです……」
宗三「こんなところで吐かないでくださいね。迷惑ですから」
チクチク刺してくる人だな……いや、チクチクでもないか。
結構ぐっさり刺してくる人だ。
ちらっと宗三さんを見るがどうやらこの人にも私の体質の影響はないようだ。
短刀なら……見た目が子供ってことで私の体質は無効になるのかもしれないがこの人の場合はなんだろう。
私に関心、興味がないってことなのだろうか。
でもまあ……宗三さんって見た目がなんというか……美しいよね。
こんなに美しかったら私を相手するより鏡を見ていた方がいいくらいに美しい。
美人妻というか新妻というか……儚い雰囲気があって美しくて……
「きれい、だなぁ」
宗三「なんです。僕の色香にあてられましたか?」
「……はい?」
宗三「先程から熱い視線で僕のことを欲しがるように見ているようですが、貴方ごとき小娘に僕が相手をするとでも?一億万年早いです」
……は、はぁ!?
「あ、熱い視線って欲しがるようにって……わ、私をなんだと思ってるんですか」
宗三「発情した小娘でしょう?臭い匂いを撒き散らして誰かを襲おうとでもしていたんですか?」
にこやかに笑っているが言ってることはとてつもなく腹が立つことだった。
わ、私が誰かを襲うだなんて……
「まあ、僕は貴方ごときには何の興味もありませんけどね」
「……へぇ、そうですかっ……なら試してみますか」
結構穏和な私とてちょっとイラッとすることはある。
宗三さんの細腕を掴んで近くの部屋に連れ込めばすぐに襖をしめるとすぐさま宗三さんの頬に触れた。
宗三「何のつもりで……す、か」
顔を背けられないよう両頬に手を添えて固定してやれば、目をじっと見てやる。
鏡を見てないのでどうなっているかわからないが、きっと今の私の瞳の色は……