第27章 遠征
石切丸「ご心配ありがとう。そういえば主は私に怒っていたんじゃないのかな?」
「うっ……で、ですから……怒ってはいましたけど……一夜の過ちとして忘れることにしてますので」
そんな、過ちでしたって終わらせられるほど経験積んでるわけではないがそう考えるしかないのだ。
いつまでもうだうだと言ってても、いい関係は築けないだろうし……ここは大人の対応ということで忘れるのが一番いいと私は判断したのだ。
「それでは改めて……気を付けてくださいね。手入れ部屋も道具も見つかってないのでできることなら無傷でお願いします」
ペコリと頭を下げるとすぐに頭をあげて、ニコッと笑う。
あの日のことは忘れる。
そうした方がいいのだ……あれも私の体質が悪かったところもあるわけなのでいい経験をさせてもらったと思えばいい。
これからは刀剣と審神者としてやっていこう。
「それじゃ、用意ができたら玄関の方に集まってくださいね」
軽く手を振って私は燭台切さんのもとへと戻った。
初めてのことなので隊長の燭台切さんにいろいろ聞いておこう。
どこに向かうのかすら教えてないからな……遠征にいく人とは別に帰ってくるまで本丸のなかの探索を付き合ってくれる人を見つけておかないとな……
できれば話しやすい人……短刀の誰かがいいのだけど、今回は彼に頼もう……。