第27章 遠征
「あと二人……よし、鶴さんで」
鶴丸「任せておけ!」
あとは大太刀にお願いしたいかな。
蛍丸、次郎さん、太郎さん…………石切丸さん。
蛍丸は……やめておこう。
なぜだかムッとしている。
原因は私なんだろうけど……あとで謝っておこう。
「じゃあ、石切丸さん……お願いします」
石切丸「わかったよ。それで隊長は燭台切くんでいいのかな?」
「あ、はい……それでは皆さん頑張ってくださいね!私はここで皆さんの帰りをずっと待ってますから」
本音を言えば自分も一緒についていきたいが、審神者が大怪我でもしたら意味がないということで、同行することは禁止されているらしい。
二十分間の遠征とはいえ何があるかわからないのでおとなしく、お留守番しているのが一番のようだ。
「燭台切さん、無理しないでくださいね。これ無理だって思ったら手ぶらで帰ってきてもいいんですから」
私は燭台切さんのそばにまで行くと無理をしないようにと伝えた。
資材もお金もないからといって彼らに無理をさせたいわけではない。
だから程よくやってくれたら私はそれでいいと思っているのだ。
燭台切「心配してくれてありがとう。でも僕らもそんな柔でもないから大丈夫だよ」
「でも……娘を嫁にやる気分というか、心配で」
燭台切「僕が娘……?なら嫁ぎ先は君の隣がいいな」
「…………?」
照れ笑いを浮かべている燭台切さんに私は首をかしげてしまった。
嫁ぎ先は、私のとなり……え、燭台切さんを嫁にもらえたら毎日美味しいご飯が食べられてそれはそれで幸せなのでは……
最良物件だ。
「燭台切さんならすぐに貰い手見つかりますよ。ご飯は美味しいしかっこいいし、声がいいし」
鶴丸「主、光坊を口説くのは帰ってからで良くないか?」
「え、これ私が口説いていることになるの……?」
そんなつもりはなかったんだけどな。
燭台切さんが優しく笑いかけてくれるものだからその笑みが眩しくかっこいいからきゅんときてしまう。
現代ではまったくといって、ときめきもなかったのに……やっぱり、顔かな……。