第25章 川の字にお邪魔します
明石「主はんはもう少し肩の力を抜くべきやと思いますよ」
「……そういうの、よくわらないかな。頑張っても喜ばれないし……でも頑張らなければ役立たずって言われるし……ほどよくってなんだろう」
わからない。
ほどよくっていうのは難しい。
何となくでなら、まあまあとか曖昧なことは理解しているつもりではいても……ほどよく頑張るってことができないでいる。
明石「……一日や二日くらいなにもせずにいるのもええんとちゃいます?」
「それは職務放棄になるでしょう……私は役目があって審神者をやってるんだから働くのが当然だと思ってる」
審神者に選ばれたからには、私はやらなければいけない。
蛍丸を抱き締める腕に少し力が入ってしまう。
やらなきゃ、審神者を……みんなの、ために
「みんなの幸せのため、私が……頑張らなきゃ」
明石「……主はん……それ重いですわ」
「う"っ……」
明石の言葉が心にグサリと刺さる。
お、重たい……それはあれだろうか。
男女の間でたまに聞く愛が重たいとかそういう……
いや、私に限ってそんな……
明石「重たすぎて吐き気がしますわ」
「そ、そこまで言うかな普通……さすがの私でも傷つくんだけど」
明石「難しく考えずに毎日平和に暮らせたらええなってくらいのこと考えてたらいいんですわ。幸せかどうかは自分達が決めるんで」
「うーん……じゃあ難しく考えずにいることにする」
平和だといいなって考えるだけでいいのだろうか。
もっと他に考えることもありそうだけど、重たすぎる想いはよくないと聞くし、今はみんなの平和を考えておこう……重たいとか思われたくないし