第24章 大浴場
鶯丸「あの場所から離れてよかったと思っている。主が場所を移すと決めたのだ今になって後悔するのはみなに失礼というものじゃないか」
「後悔なんて……ちょっと心残りがあるだけですー……聞いた話じゃあの本丸クリーニングされるんじゃなく潰されるらしいので……」
それぞれにどんな思いがあるか私にはわからなくても、あの本丸で感じた嬉しいことや楽しいことがなかったとは思えないだよね。
前任だって聞いた話ではなかなかのご趣味があったみたいだけど……はじめからそんなことするとは……
「一人で悩んでても頭痛がするので……吐き出すことにします」
鶯丸「夕食をか?」
「出しませんよ。気になるなら前の本丸のことを詳しく知れそうな人に思ったことをぶつけることにします」
鶯丸「そうか……主は……頭がゆるいな」
なぜだか喧嘩売られたのですが。
まあ、いいですけど……。
私は立ち上がる前にバシャ!とお湯を鶯丸さんにかけてからその場から逃走した。
頭がゆるいとか言われて怒ったわけではないから!
挨拶としてやっただけだから!
鶯丸「……まだまだ子供な主だ」
そして私はまた誰かと鉢合わせする前に明石から借りた服を着てそそくさと脱衣所をあとにした。
脱いだ服とか忘れてきたけど、もういいや。
朝早くに起きて洗濯している現場に向かえばなんとかなる、はず。