第24章 大浴場
「はぁぁぁ……気持ちいい」
一日の疲れが癒えていくようだと感じながら、こんなにお風呂がいいものだと感じたのは初めてかもしれない。
我が家だったお風呂も大きかったけど、満たされてる感がなくて、身体を清めるだけの場所くらいにしか思ってなかったが身体が疲れてるとこんなに気持ちいいんだ……。
「このまま寝ちゃいそう……」
鶯丸「それも悪くはないな」
「ねー…………はい?え、ちょ……な、なんでっていつの間に…」
夢心地でお湯に浸かっていたが、まさか人がいるとは思わなかった。
いや、私が浴室に入ったときにはいなかった、はずだ。
「えっと……すずめ丸さん……いや、あ……鶯丸さん、ですよね。いつの間にここへ……」
鶯丸「主が鏡と見つめあっていたときに入らせてもらった」
全然足音も気配もなかったんだけど……。
先に入っていたのは私だがここはみんなのお風呂なので独り占めはできない。
面倒だからって、審神者専用らしきお風呂に入らずこっちに入ってしまったのは私なのだからなにも言えないな。
「……あの、鶯丸さん……この本丸はどうですか?」
鶯丸「……主は何を聞きたいんだ」
「以前の本丸から新しい本丸に移ったこと……以前の本丸に思い入れとかあったなら……私は無理にみんなをここに連れてきてしまったことになるので」
反対するものはいなかったけど、みんなのいるところで聞いてしまったし、引っ越しが決まってからの行動も早かったから反対する思いがあったとしてもいうタイミングもなかった。
あの本丸をきれいにしてあそこにいた方が……よかったんじゃ、って思ってしまう。