第21章 口説かれました
明石「へぇ……覚えてないんですか……」
「な、なによ……」
ニタニタと笑う明石に少しムッとするが、なんだこいつ……顔いいな。
男前より綺麗系の顔を……って、近いな。
明石は私に顔を近づけて至近距離で見つめてくる。
近い……顔が良すぎる……
明石「あぁ、瞳の色……戻ったなぁ」
「え……」
明石「髪の色も……石切丸さんの色に染められていて、いい気はせんかったからよかったですわ」
自分の髪に触れて見てみると本当に髪色は戻っていた。
まだよくわかってないが石切丸さんの神力が影響で髪や瞳の色が変わったのなら、色が元に戻るということは……神力がなくなった、と考えればいいのだろう。
そういえば私のあの変な体質みたいなの……出なかったな。
鯰尾と……キス、しても瞳の色は変わってなかったと思うし何より身体が火照ってつらいなんてことがなかった。
それも神力の影響だとするなら……
明石「ん……?」
今、やばくない?
こんなにも顔のいい明石に対して平常心でいられるわけがない。
例えるなら今の私は手術前に麻酔をしている状態から、麻酔が抜け痛みが感じるようになっている状態。
石切丸さんの神力という麻酔がなくなった今、いつだって発情しかねないってわけだ。
「あ、あの……明石、さん……私、ちょっとお風呂に……」
明石「そんなら一緒に入ります?」
「ははは……なぁに、言ってるの?刀剣とはいえ明石さんは男の人ではありませんか……男女が同じお風呂って……よくない、と思いませんか」
明石「裸の付き合いってありますやろ?」
「そんな付き合い私は知りたくないですね」
あれ、おかしいな。
明石って私のこと嫌いとまではいかなくても仲良くしようなんて素振りなかったと思うんだけど……これ、口説かれているのだろうか。
ん、誘われ……?