第21章 口説かれました
「よし、なんかまだまだ頑張ろうって気になれた。ありがとうね明石」
明石「……主はんって、不思議な人やな」
「それ、貶してるの?」
明石「ちゃいます。あの時は艶っぽい感じでしたのに今はアホっぽい感じしはるんで変やなって思いまして」
「やっぱり貶してるよね……ん?あの時って……どのとき?黙ってれば綺麗とはよく言われるんだけど……明石と会ったのって広間にいたときだよね?」
明石「黙ってはったら綺麗……ですか?」
そんなばかな……みたいな顔をされても困る。
黙っていたら綺麗とは本当によく言われてたんだけどな……黙っていたら、の話だけど。
明石「あぁ、主はん先日、石切丸さんと廊下でちちくりはってましたけどそういう趣味あるんですか?」
「誰がちちくりあってただ……って、廊下で……?」
廊下……石切丸さん。
どれだって考えるほど何度もあったわけではないので自分の記憶が正しければ……兼さんと歌仙さんが脱衣所で倒れた日のことだ。
あの日は……うん、石切丸さんにあったけどキスされてからの記憶がない。
石切丸さんには気絶した的なことを聞いたが……あれ、じゃああの時の明石に見られていたのか
うわぁ、恥ずかしい。
「……はしたない姿をお見せして申し訳ありませんでした」
明石「いや、ええですけど……でも、あんな場所で甘ったるい匂いをさせて発情すんのやめてくださいね」
「誰が発情だ。私=発情みたいな感じがなんか嫌なんだけど」
明石「発情してはったんやろ?自分とチューするって抱きつかれてきたときはさすがに引きましたわ」
「ち、ちょっと待てそんなことしたなんて知らない、覚えてないんだけど」
明石にチュー……?
え、自分のことなのに覚えてない……え、ドッペルゲンガー?
私、ついにそんなハレンチなことをする女に成り下がって……!