第21章 口説かれました
「うーん……粟田口だけは特別枠に……あ、でも大太刀枠だと蛍丸が大きい人たちの仲間に……」
悩む。
好きな時間に勝手に入れよーなんて、自由にしたら同じような時間にみんな、お風呂に入ろうとして後々とんでもないことになっても私が困る。
誰が決めてくれたのか知らないが、食事の時間だけきっちりしているのは本当に助かっている。
これでバラバラだったら出来上がった時間を過ぎて冷めきってたり、うまく量を分けられず最後に来た人は食べられなかったりしたら困るからね。
明石「……お一人でぶつぶつ何言ってはるんですか」
「あ、まだいたの……審神者は考えることがたくさんなの。明石は……これから部屋に戻るの?」
明石「……ついてくるなんて言わんといてくださいね」
「言わないよ……私は君のストーカーじゃないんだよ」
誰がどこの部屋を使っているというのは鶴丸さんとの探検のおかげで多少は理解したがまだまだ半分ってところだからな……ネームプレートでもぶら下げておこうか。
「……ねえ、明石……私、審神者……できてるのかな」
明石「そんなん知りませんわ」
あらひどい。
明石は、小さくため息を吐いてめんどくさげに私の隣に座ってくれた。
嫌われてるって感じはしないけど好かれてるってわけでもないな……さすがに刺されたりするほど嫌ってるわけでもない感じだが。
「……まだ、数日だけど……引き継ぎって簡単じゃないよね。みんな心に傷があるからなんというか……」
明石「そないに気にせんでええと思いますよ?そんな、腫れ物みたいに扱われる方がこっちが気ぃ使いますわ」
「でも、触れられたくないやつってあるじゃない?私バカだから無意識に傷つけたら……」
明石「……あんさんがバカなのは知ってます。好きで傷つけるわけやないんやさかいにごめんなさいって謝れば済む話とちゃいます?」
えぇ……軽……。
そして、なんかバカ認定されてるの腹立つ。
でも、腫れ物みたいに扱われて嫌なのはわかる気がする。
なら今後はもう少し、砕けた感じに接していけばいいのだろうか……