第20章 口吸い
堀川「……やっぱり。主さんってもうヤることヤったんですね本丸に来たときは処女だったのに早いものですね」
「っ!は、はぁ!?」
ずずず、と味噌汁を啜っていると堀川くんのとんでもない発言に味噌汁を吹き出しそうになった。
食事の席でなにいってんだ!
堀川「そんな、見るからに石切丸さんのものですって見た目して……みんな気づいてると思いますよ?それに神気だって強く感じられますからね……」
「っ!こ、これはなんというか……」
首の痕とかは隠せているつもりではあるが手遅れ感はあったし……見た目、か。
髪色とか瞳の色は簡単に隠せるものでもない。
帽子とサングラスがあれば多少は隠せ……いや、部屋から出なかったら隠せてたんじゃ?
「も、もういいの!ヤることヤりましたよ!なんですか悪いんですかぁ!」
堀川「別に悪いとは言ってませんよ。ただ……いえ、なにもないです。それじゃ僕はもう行きますね」
それだけ言って食器を片つけ去っていく堀川くんをじーっとみつめた。
みんな気づいてる……か。
クンクンと自分の匂いを嗅いでは見たがなにもわからない。
香水つけたらなんとかなるかな……つけないけど。
「……なんとも言えないなこの気持ち」
恥ずかしさとは違う……モヤモヤとした気持ち。
こんな尻軽審神者なんて誰が認めようと思うんだろう……審神者になって数日……早くも折れそう。
石切丸「また、悩んでるのかな?」
「はは……原因の種はあなただったりするかもですかね……髪色も瞳の色も……こんなのみんなに見られたらそりゃあ深い意味でいろいろ考えちゃいますもんね」
私に対するみんなの印象はわからないが、挨拶回りをしているときはそう悪いようには感じなかった。
不安と期待。
そんな感情をよく感じ取っていたが……今は……察したくもないな。