第20章 口吸い
「ごちそうさまでした。では私は行きますね」
石切丸「君は私と離れたがるんだね?」
「うっ……そ、そういうわけじゃないんですが……これからお風呂なのでついてきても……ね?では失礼します!」
これ以上、一緒にいる意味もないので全力でその場から逃げた。
落ち着かない。
石切丸さんは悪い人ではないのはわかっているが……落ち着けるような包容力のある人なのに今はそばにいて落ち着いていられるわけがない。
それは私が……異性として意識してしまっていることが原因なんだ。
審神者なのに……彼らにそんな感情を抱くなんてよくない、よね。
ほんのすこし走っただけで息が上がってしまうと部屋まで戻る前に私は縁側に座って休憩をすることにした。
食後すぐの運動は身体によくないんだけどな……。
「もう外が暗い……確か、春……なんだよねここ」
私がいた現代はまだ冬だったからな……。
でもここも夜になると肌寒い。
こんな肌寒い夜だとみんな、風邪引いたりしないのかな……お布団とかは、各自部屋の端に畳んで置いてあったりしたからそこは大丈夫なのかな。
それにこれから夏になるわけだし、夏のことを考えたらかき氷機とかほしいな。
氷なら水を凍らせるだけでいいし、シロップ程度なら買えないこともない。
今後のことをいろいろと考えてみると、たのしいことがたくさんな気がして小さく笑った。