第20章 口吸い
「い、いただきます」
石切丸「いただきます」
同じ机で二人並んでの食事。
離れちゃダメなんだろうな、とは思ったけどこんなにベッタリだとちょっと気になってしまう。
この人……なんで、私が好きなの?
そんなに私の身体が良かったの!?
それとも私をその気にさせてから捨てるとかそんなこと考えてたり……え、なんなの本当になんなの!
石切丸「主、ほらあーん」
「へ……あ、あーん……」
もぐもぐと咀嚼する。
口の中に広がる……
「にっがぁ!」
石切丸「美味しいかい?」
「うっ……口の中がにがにがしてて……」
石切丸さんのことが気になりすぎて自分が食べているものも気にならなくなっていたが、口の中に突っ込まれたのはどうやらピーマンのようだ。
ピーマン……やだぁ。
それでも人が作ったものを不味いんじゃー!なんてちゃぶ台ひっくり返すキャラでもないので黙々と食べるしかない……
堀川「……二人って恋人同士にでもなったんですか?」
「ん?いや、恋人同士になった記憶はないけど」
石切丸「妻にしたいとは考えているよ」
「え、まじですか」
妻にって考えられてたの?
怖いと思ったら変なこというし、やたら色気感じさせるときもあるしで石切丸さんという人が私にはよくわからない。
妻、妻か……これプロポーズされているのだろうか。
彼氏だってまだなのに夫……いや、それ以前に手を繋ぐとかそういうピュアピュアなこと飛ばしてああいうことをしてしまった私に順序とかそういうのはないに等しいような……。
一部の刀剣男士がやたらセクシーだったりするのもブラック本丸の影響なのかしらね……。