第20章 口吸い
「羽交い締め、とは言わないか……やっぱり収納かな……もうなんでもいいです。石切丸さんご飯食べに行きましょーよー」
石切丸「はいはい。それじゃ……よし、行こうか」
「え、よしじゃないんですけど、大問題起きてるんですけど」
石切丸「え、主……君は食事よりもしたいことができたのかい?もしや身体が疼くのなら私が相手に……」
「ま、まてまてまて!ストップたんま!」
問題はそこではない。
問題というのは少し考えればわかるというもの……お姫様抱っこ、されているのだ。
憧れではあるしされて嫌な気分にはならないが、既に長谷部辺りにしてもらっている。
一度されたから満足ということでもないのだが、怪我でもなんでもないときにされるのは、私が気になってしまう。
長谷部の時は体調不良みたいなものだからいいとして、石切丸さんに抱っこされるほど元気がないわけではない。
不思議ではあったのだが、いろんな刀剣が私のことを警戒する中、この人だけは警戒どころか……
「石切丸さんって……私のこと、どう思ってるんですか」
石切丸「どう思っていると思う?」
「えー……自意識過剰とか言われると嫌なんですが……特別に思っていたり……なんて」
自分で言っていて結構恥ずかしい。
これで違ったなら勘違い女間違いなしの状況だ。
好きと思ってもない人に私のこと好きなんでしょー?とか言ってしまった女子くらい恥ずかしい。