第20章 口吸い
「鯰尾……もし、何か悩みがあったら言ってくれていいんだよ。今すぐが無理なら夜でも夜中でも朝でも昼でも……鯰尾が言いたくなるまで待つつもりだから」
鯰尾「……あーるじ、ダメですよ。夜遅くに男を部屋に招き入れるようなことを言っちゃ……でも、ありがとうございます。今は何もないんでもしなにかあったときは一番に主を頼らせてもらいますね!」
本当のところ悩みがあったのかなかったのかはわからないが、自ら私に会いに来てくれたことは私にとってはとても嬉しいことだった。
過去は振り返らないといってもなにか怖いことや不安なことがないとは限らないからね。
少しでも不安をなくしてあげられるよう私が頑張らなきゃ
「……鯰尾、待ってるからね」
私はそっと鯰尾の頬に触れて優しく撫でると鯰尾ははじめこそキョトンとしていたが小さく笑い返してくれた。
やっぱり可愛いな……。
鯰尾「……主って……やっぱり綺麗ですよね」
「なっ……何を唐突にっ!」
鯰尾「見た目は小さい子供って感じがするのに、主はたまにすごく大人びた笑顔をするから……なんか、綺麗だなって思って」
小さい言われたけど……褒められた。
ちょっとムズムズするなこの感じ……
「……あ、りがと……ちょっと驚いたけど褒められて悪い気はしない、です」
鯰尾「ね、主……口吸い、してもいいですか?」
「は、はぁっ!?な、なんで」
鯰尾「だって主、かわいいんですもん。したくなっちゃいました……ダメ、ですか……?」
ここの刀剣達、やたら褒めてくるな。
綺麗とかかわいいとか……てっきり貶されたりされると思っていたから……な、慣れない。
容姿をほめられることなんてなかったから照れてしまう。
鯰尾は私の髪に触れて顔を近づけてくる。
これ、する雰囲気ってやつなのだろうか。
え、するの……?
しちゃうの……?
え、え……?