第19章 穏やかな日
「それじゃ、鶴丸さん。私は部屋に戻るけど……どうする、ついてくる?」
鶴丸「いや、やめとく。君の部屋までついていっても仕方ないからな」
「それもそうですね……あ、服返します…………あ、洗った方がいいですよね」
鶴丸さんに服を返そうと脱ぎはしたが礼儀として洗って返した方がいいのでは……
お風呂はちゃんと入ってるけどそういう問題ではないし、女子として洗って返すのがいい……はず
鶴丸「別に俺は気にしないが……それに……君の温もりを感じられて悪い気はしないからな!」
持っていた服を取られてしまうと鶴丸さんはそのまま着てしまうのだが……温もりとかなんとか言われると恥ずかしいのだが……。
「……鶴丸さんって……結構、恥ずかしいことさらっと言いますよね」
鶴丸「君が言われ慣れてないだけじゃないか?」
「言われ慣れてはいませんが……逆に鶴丸さんは言い慣れているとでも?」
鶴丸「いや、こういうことを言うのは君が初めてだよ」
初めてとは思えないんだけどな……。
でも顕現されてから、前任相手にはそういうことを言うわけもないか……でも見た目だけじゃなく刀も美しいし、大事に扱われていたのはわかる。
「鶴丸さん……きれいですもんね」
鶴丸「な、なんだ急に」
「あー、いえ鶴丸さんはいつ見ても綺麗だなって思っただけです。それでは私はお部屋に戻りますね!」
キャリーケースを持って私は自分の部屋に向かった。
まだこの本丸の部屋の場所とか把握できてないが……私の部屋は廊下を進んだ先にぽつんとあるからある意味では分かりやすい。
離れすぎて心臓発作を起こしたとしても誰にも気づいてはもらえないだろうけど……