第19章 穏やかな日
あとのことは前田くんに頼んで私と鶴丸さんは……お散歩をすることにした。
特に目的もなく本丸の中を歩き回るというのもいいものだ。
鶴丸「……君は、のんびりとしているな」
「何を唐突に……のんびりとしている場合でもないんだけど、私は元々のほほんと過ごすのが好きなの」
現代でも、マイペースなところは健在ではあったがここのように心まではのんびりとしていられるようなものでもなかったから、ここはとても落ち着ける。
現代と違っていつ殺されるかなって不安もあるが……。
「何事も急いでなにかをするよりのんびりと考え、行動した方が……失敗がなくていいじゃない?」
鶴丸「そういうものか……?」
クールなできる審神者を目指そうともしていたが、それはもう諦めよう。
私には無理だ。
のんびりとお仕事をする審神者の方がゆったりとしていていい。
そう考えながら歩いていると政府の人と話した部屋の前についてしまう。
結構歩いたなと思いながら襖を開けるといろいろと置きっぱなしであった。
「あー……あの分厚い説明書みたいなの部屋に持っていかないとね」
鶴丸「そろそろ、あの玉も食べた方がいいんじゃないか?」
「玉か……あの人からもらったものを食べるのはちょっと抵抗があるけど……信じるしかないか」
とりあえず、キャリーケースに詰め込んで部屋に持ち帰ることにした。
服は……まあ、着させてもらおう。
ないよりマシだ。
ただ、普段着れるかと問われれば悩んでしまうものばかりなので……自分なりにアレンジして着るしかなさそうだ。
バニーガールの衣装にスカートでも……いや、そこはまた考えよう。