第19章 穏やかな日
「それじゃ、次は……」
ぐ~ぎゅるぎゅる……ぐぷ。
うわ、変な音した。
鶴丸「…………きみの腹の音、か?」
「……朝から何も食べてなくて」
鶴丸「ブハッ……ふ、ははは!」
わ、笑われてしまった。
空気の読めない私のお腹……人間なら仕方ないと思うことにしよう。
「お腹すいたので食堂……厨にいってきますー」
鶴丸「なら、俺もついていこう。君と一緒にいたからな昼は俺も食してない」
ならば長谷部も食べてないってことにならないか?
長谷部の性格なら私になにかお願いされたならその役目を全うするまで自分のことなど後回しにしそうなイメージがある。
お昼、ちゃんと食べてればいいな。
「今日のお昼はなにかなぁ」
鶴丸「きみは何がいい?」
「オムライスとかハンバーグがいいなぁ」
鶴丸「おむらいす……?」
「……ご飯にトマトをかけて、それを卵で包んだ食べ物……?」
うまく言えないがそんな感じだろう。
鶴丸さんはわからないようで不思議そうに首をかしげているが、料理の雑誌など買ってきて見せておけば大体の料理は把握できるだろう。
そのあとは二人、手を繋いでのんびりと食堂に向かった。
初対面の時はあんなにも敵視してたのに今は笑い合える仲になるなんて不思議なものだな……。
「鶴丸さん、明日もまた冒険しよう?」
鶴丸「きみがそうしたいのなら付き合わせてもらおうか」
二人で、笑って明日の約束をする。
友達ができたみたいで嬉しいな……このまま平和な毎日が続いてくれればいいけど、審神者としての仕事を忘れてはいけない。
審神者として、ちゃんとやらないと……審神者失格なんて言われてしまったら困る。
彼らのため、自分のためにも……もっとしっかりしよう