第19章 穏やかな日
「よーし、次にいくぞー!鶴丸さん行こ行こ?」
鶴丸「あ、あぁ……」
今度はどんな場所を見つけられるだろうかワクワクしながら鶴丸さんの腕を引いて次へと向かう。
こうした探検のような冒険のような一日を過ごすのも楽しい。
いろんな刀剣とも会えるしお話もできる。
鶴丸さんもまだ私を完全には信用してないはずなので少しでも仲良くなれたら私にとって嬉しいことの一つになる。
幸せになりたいけど周りに任せるのではなく自分から幸せを掴んでいきたい。
だからできる限りのことをしよう。
「ん?編成掲示板……?」
鶴丸「こんなものがあったんだな……これは名札入れか?」
「第一部隊……第二部隊、馬当番、畑当番、手合わせ……厨当番」
馬当番って……馬の世話を任せるわけか。
畑当番も……畑を作って野菜を育てたりするわけなんだよね。
自給自足。
うん、なんだか楽しそうだ。
手合わせはわかるとして……厨、ちゅう?くりや?ってなんだろう。
馬、畑ときたら台所のことだろうか?
みんな役割分担をして暮らすんだな。
鶴丸さんと共に名札を見るが何も書かれていなかった。
自分で書けってことか。
「鶴丸さん、それちょーだい。あとでお部屋で全員分の名前書いておくよ」
鶴丸「一人で書くつもりなのか?」
「数は多いけど……文字にすることで改めてみんなの名前を思い出せるし、まだ審神者らしいことできてないからさ。どこかでかっこつけたいなーなんて」
寝てばかりいる審神者と思われていそうなので、その印象は上書きしないと今後の審神者としての仕事に何かあっては困る。
まあ、みんな素直でいい子なのは話しててわかったからボイコット、なんて学生がするようなドラマで見たようなことは起こらないとは思うけど。
鶴丸さんから名札を受けとると、どうやら木でできたもののようなので筆で書いた方が良さそうだなと思った私は部屋に筆らしきものがあったか思い出そうとした。
少し漁ったが筆記用具とノートと必要最低限のものしか置いてなかった気がするが探せばあるかもしれない。