第19章 穏やかな日
「じゃあ……ここを使わせてもらおうかな。大浴場使って歌仙さんと兼さんの次の犠牲者を出すのはかわいそうですし」
鶴丸「犠牲者か……そういや、乱を見ないな」
「乱ちゃんなら政府の人が帰ってすぐどこかに走っていきましたよ。あの年頃の女の子は元気ですよね」
鶴丸「女の子……?」
浴室に入ってみると掃除はされているのかとても綺麗であった。
ここまできれいだと少し怖いと思えてくるな……あの本丸を見た後だと余計に……
鶴丸「……どうかしたのか?」
「あ、いや……ううん何もないですよ。ただ掃除されてて綺麗だなっ……くしゅっ!」
鶴丸「…………そんな格好で出歩くからだぞ」
「す、すいましぇんっ……」
春とはいえポカポカとは思えないくらい本丸のなかはひんやりとしている。
木材だからなのか風通しがいいからなのか……わからないが、とにかく寒い!
そういや、持ってきてくれた服……季節感があまり感じられなかったな。
メイド服、バニー服、体操着、セーラー服。
どれも半袖というこれから着るにはいいが普通に服を買いにいった方が良さそうだ。
鶴丸「これ、着とけ。きみに風邪でも引かれたら困るからな」
鶴丸さんに上着らしきものを肩からかけてもらえた。
上着……温い……鶴丸さんの、脱ぎたてほやほや……
「……いい匂いする」
鶴丸「っなんで匂いを嗅ぐんだ」
「…………何でだろう。でもなんか……うん、鶴丸さんのって真っ白だから白無垢みたいでドキドキするなぁ」
鶴丸「…………」
身長差も体格差もあるから結構大きく感じる。
鶴丸さんってパッと見、細いからサイズ的にはどうかなって思ってたけど……ぶかぶかだ。
袖に腕を通してからその場でくるりと一回転したりぴょんぴょんと飛んだりしてみる。
動きやすい。
重たくもなく邪魔にもならない……これなら戦闘時、なんの問題もない。
服って不思議だなぁ。