第19章 穏やかな日
「……いい天気だなぁ……」
鶴丸「あいつはいったい何者なんだ?」
「何者って……政府の人で、一ヶ月私の世話を焼いてくれた人」
政府の人が帰ったあと、私は鶴丸さんと行動を共にしていた。
長谷部にはスマホを探してほしいという主命を与えた。
自分でなくしたのに探させるのは申し訳ないけど、最後にどこで触ったとかいろいろ話はしたし長谷部なら見つけられると信じている。
鶴丸さんにはこの本丸の探検を一緒にしようと私が誘ったのだ。
まだどこがどの部屋でって覚えてないし、少しでも早く覚えないとうっかりなにかがあったら大変だからね。
「ねえねえ、鶴丸さん……あっちがお風呂だから……こっちはなんなのかな?」
鶴丸「こっちは……お、部屋だな!」
「使ってなさそうだから……空き部屋ですね!では空き部屋っと」
付箋メモとボールペンを出して空き部屋と書いてから適当なところにぺたりと貼っておいた。
これなら新しい刀剣男士がきても慌てずに落ち着いて部屋につれていけるようになる。
鶴丸「…………きみ、今それどこから出した」
「……胸の谷間です」
鶴丸「きみなぁ、そういうところだぞ……」
ダメだったようです。
それからは二人で空き部屋を見つけては付箋を貼り、誰かが使っていそうだが誰もいないときは使用部屋と書いて、部屋に誰かがいたならその人の名前を書いて付箋を貼ることを続けた。
本丸は結構広くて、二人で冒険でもしている気分でとても楽しかった。
「あ、鶴丸さん!お風呂を見つけました!ここは……あっちのと比べたら小さいですね……一人、いや二人入れるくらいでしょうか」
鶴丸「もしかしたら……主のための場所かもしれないな。あっちにきみの部屋があるからな」
あっちという方向を見ると少し歩かないといけないが私の部屋が見えた。
大浴場らしき場所よりかは近いし、もしかしたら私専用なのかも。
この本丸の見取り図とか見ていろいろ考えてみようかな。