第18章 来訪者
「これは……」
机の上に出されたもののなかに一冊の……本らしきものを手に取る。
昔ながらの本だ。
ちょっと古くさい感じの歴史のある……。
「それは刀帳。ほれ手書きでちょちょいって書くやつおるんよ……それにな、墨での手書きの方が味あるやん?」
「はぁ……墨、持ってないですけど」
よくわからない。
アナログかデジタルかって差だろうか。
タブレットにも刀帳があるのならこっちの本は……いや、使い方によったら意味はある、のか?
「……それでこの飴玉は霊力を抑えたり増やしたりって……なんですか?」
「んー、あれやあれ。エナジードリンクの飴玉バージョンって考えれば」
いや、無理がある。
「ほれ、おまんは霊力が高すぎるのと乳が立派な他、取り柄がないからのぉ」
「セクハラと共に喧嘩売ってんのか」
「霊力が高いのはほんまええことや。でもな高いがゆえに暴走もある……その首の、霊力が暴走したがゆえに欲に負けた結果や。まあ相手があの石切丸なら霊力が低くても関係なかったやろうけど」
「っ!……な、何で知って……」
「匂いってのは隠せるもんとちゃう。そこの二人も気づいてるやろ……あえて言わず触れずってやつや」
後ろを見ると二人して私から目をそらした。
何となくそんな感じがしてたけど……襟巻きで隠さなくてもその匂いってやつで察してたわけか。
本人にはなんの匂いもしないからわからないものだ……。
「……双方納得してのものならなんも言わん。だけどな一つ言わせてもらおか」
「なんですか……」
「……ばっかじゃねえの!」
………………はい?