第1章 始
「あ、そうそう。お隣にいるのは確か、鶴丸さんでしたっけ」
鶴丸「あ、あぁ」
こっちも警戒心まっくすですよって感じだ。
元々警戒されてたけど一期一振さんにキスしたから、痴女と思われていそうだな。
「改めて自己紹介をさせていただきますね。私は本日よりここの本丸を任された幸村なつみです」
鶴丸「鶴丸国永だ。平安時代に打たれてから、主を転々としながら今まで生きてきた」
一期「私は、一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀でございます」
刀のことを詳しく学んだわけではないから名を聞いてもピンとくるものがないが、どちらの刀もとても美しい容姿をしていることからきっと本体である刀は目を奪われるような見た目をしているのだろうな。
「あの鶴丸さん、見たところ軽傷、中傷くらいの傷を負っていると思うので手入れをしたいと思っているのですが構いませんか?」
鶴丸「うっ……いや、俺はいい……ま、まて寄るな!」
「失礼ですね。別に一期一振さんみたいにはしませんよ。あれは重傷の人限定です」
そんな嫌そうな顔をしなくてもいいのに失礼な人だ。
四つん這いで鶴丸さんに近づいていくと腕をがっしり掴めばそこから霊力を流し込むことにした。
触れてからも霊力を送ることができるのには少し驚きはあったものの一ついいことを知った。
でもやっぱりクラクラするけどここは我慢しよう。
それから清光と同じで三十分ほど霊力を流し込んでからゆっくりと鶴丸さんから離れた。
鶴丸「こりゃ、驚いた。どこも痛くない」
「それはよかった。それでは、私達は次にいきますね……お布団ありがとうございました。行こう清光」
加州「え、うん!」
立ち上がると少しフラッとしたがなんとか耐えて二人のことを改めて見てから大丈夫そうなのを確認してから部屋を出た。
これで三人目。
何人いるか聞いてないけど……あと三人くらいで限界かな。
より多くの刀剣男士を癒したいけど、私が倒れたら元も子もないからね。