第18章 来訪者
長谷部「だから、帰れって言っているだろう!」
「長谷部はんに用なんかありゃせん!審神者出せ審神者!」
途中でHPが底尽きた私は燭台切さんにおんぶをされて問題の場所にへと向かったが長谷部は本当に言い争っていた。
政の紙を顔につけた……知ってる人と。
「……燭台切さん、ありがとう」
あの真ん中に入るのは嫌ではあったが私が止めるのが一番いいと思って燭台切さんに下ろしてもらうとすたすたと歩いて長谷部の服を掴んだ。
長谷部「なんだ!……あ、主!」
「ありがとう長谷部。怪しいものをいれまいと戦ってくれて」
「怪しいものって俺すか」
長谷部「…………あ、主!いったいその髪はどうされたのですか!艶やかで絹のような美しい黒髪が……あ、あぁ……なんてことだ」
「自慢の髪だったとはいえそこまで言われると照れるね……今日中には黒髪に戻るから大丈……ち、ちょっと長谷部っ」
長谷部「深く深海のような美しい蒼い瞳まで失われて……俺がついていながらっ」
「美しいといわれて嬉しいけど落ち着いて、戻る、戻るから。とにかく今日中には戻るから……顔、近い……っ」
長谷部「……」
な、なぜ動かない。
長谷部は私の両頬に触れてからというもの微動だにしない。
整った顔立ちの人に間近で見つめられると、私の心臓が耐えられないのだが……それに人前だし
乱「わぁ……」
「大胆やなぁ」
にやにやと笑う政府の人に瞳を輝かせる乱ちゃん。
助けてくれなさそうだ……。
恥ずかしいのならば見なければいいとよく言うし、こうなったら目を閉じていれば……。
「……んっ…!っ……な、何してるんですか!」
長谷部「っ……も、申し訳ありませんつい!」
「ついでキスするやつがあるかっ……」
目を閉じてから感じた唇の温もりで思わず力一杯突き飛ばしてしまった。
手入れでもないのにキスって……もう、痴女以上の尻軽に思われないだろうか。