第17章 始まる朝
こん「は、はぁ……夕方頃には戻られるかと」
「夕方……それは本当に?」
こん「注がれた神気の量にもよりますが……こんのすけにはわかりかねます」
つまりは……この髪色と瞳で歩き回らないといけないわけか。
部屋に籠りたいな……。
燭台切「はい、できたよ。主……首のは、どうする?」
「…………髪で隠せるから大丈夫。作業とかするときは邪魔かもしれないけど仕方ないと思うことにする」
髪の一部を前に持ってきて首元の痕を隠すようにした。
本当は隠さない方がいいんだろうけど……さすがに、ね。
短刀達には見せたくない。
それにしても燭台切さんは大人だ。
そういう痕をみても動揺したりせず詮索もしない……本当に助かる。
「それじゃ、こんのすけありがとう……」
こん「いえいえ、用がありましたらお呼びください。気まぐれにて質問には答えさせていただきます。では」
「今気まぐれにって……逃げた」
こんのすけは部屋から逃走してしまった。
さて、これからどうしようかな。
髪の色に瞳の色、そしてシャツ一枚で歩き回ると痴女扱いされそうなこの状況……よろしくない。
「替えの服、用意できなかった私のミスだもんね……ねえ、燭台切さんのジャー……大きいか」
燭台切「……ジャージがほしいなら持ってこようか?」
「どちらにせよ、ハレンチな格好になるからやめておきます……歳、いや身長の近い子に借りるのがいいですよね……」
燭台切「薬研くんなら主と近いし、どうかな?」
やっぱりそうなるか。
薬研くんの、格好には問題はない。
シンプルで安全ではあるが……