第17章 始まる朝
「……燭台切さん、そんなに見つめられると照れる」
燭台切「あ、あぁごめん。主って……髪、黒くなかった?」
「もちろん真っ黒ですよ」
歌仙「黒……?そういえば、黒かった……ね」
「……真っ黒、ですよ」
なぜ髪の黒さについて言われるのだろう。
二人の表情は、不思議そうにこちらを見ているだけで何も言ってくれない。
生まれて一度も髪を染めず、いつだってサラサラヘアーを守り続けてきた真っ黒な漆黒の黒髪……な、はずだ。
私は箸を置いて自分の髪の一部を前に持ってくる。
黒……く、ない。
「……わ、私の髪が……焦げてる!」
燭台切「え!それ焦げてるの?」
「わ、私の髪……く、黒だもん。こんなカフェオレみたいな茶色じゃないもん!」
歌仙「すごい動揺しているね……顔、真っ青だよ」
「私の髪が焦げたー!」
私の長年の唯一自慢できるストレートブラックヘアが!!