第17章 始まる朝
ぱちっと目を開けるとぼんやりと天井を見る。
「んー……目覚めのいい朝、とは言えないな」
目を擦り、起き上がれないために私は畳の上をコロコロと転がって一人遊んでいた。
畳、いい匂い……。
とりあえず身を起こして欠伸をするとふと気づく。
昨夜はお風呂に入っていない。
女子としてはよろしくない、由々しき事態だ。
お腹空いたし眠たいし、でもお風呂入りたいしといろいろ悩みながら私は、お風呂に入ることを選んだ。
相も変わらず服は着ているものしかない。
着替えなんてあるわけもなく……早くもお風呂に入ることを断念しそうになった。
着替えの用意を忘れるとか、あり得ないことだけど……政府の人は身一つで本丸にいけとか言ってたからその通りにしたのに……。
「薬研くんに服かりようかな。シャツに白衣……短パンだっけ……まあ、セーフかな」
もしくはジャージ持ってる人に借りよう。
そうして私は……食堂に向かうことにした。
腹が減っては戦はできぬ。
風呂の前に腹拵えだ……食堂、どこだっけ。