第15章 変化
「もしかして……明石も甘えたいの?」
明石「なにいうてはるんですか……」
「甘えたかったら言ってくれていいんだよ。君たちの心のケアも私の仕事だし」
明石「……雰囲気、変わりはったな…ずいぶんとやわくなったなと思います」
やわく……やわらかく、つまりは丸くなったと褒められたようだ。
トゲトゲした性格でも怯えていたわけでもないからやわくなったと言われても首をかしげたくなった。
蛍丸「ちょっと国行、邪魔なんだけど」
「ほ、蛍丸……お兄ちゃんに向かってそんなこと言っちゃダメよ……?」
頭を撫でて兄弟仲良くと言ったが美少年がしてはいけない、心底嫌そうな顔をした蛍丸に私は手を止め苦笑いを浮かべた。
兄弟仲良くなんて誰が、みたいなこと思ってそうな人にサンドイッチされてるから結構暖かくてほっとする、なんて言えないよね……
愛染「あれ、なにしてんの?」
蛍丸「主といちゃいちゃしてる」
「いちゃいちゃ、なのかな。えっとね……こんばんは愛染」
腕の中の蛍丸を撫でながら愛染くんの方をみる。
来派だっけ……三人揃うと、なんかいいなと思えた。
仲良し兄弟が揃った感じがなんかいい。
明石「主はん……ええ匂いしはるなぁ…」
「ちょっ!」
愛染「く、国行っ……な、なにしてんだよ!」
首筋のとこをクンクンと匂いを嗅がれるとなんとも恥ずかしい気持ちになる。
明石の見た目はいいので気にしないようにしようにも気になってしまう。
蛍丸「……俺の主になにしてんのさ」
明石「はいはい、離れます。あ、そや主はん……」
「え……」
明石「ほな自分は部屋に戻ります」
明石はそう言って部屋から出て言ってしまう。
あの言葉……どういう意味なんだろう
明石『夜は気ぃつけてくださいね……石切丸はんには特に』
夜……石切丸さん。
なんだか、ちょっと不安になる言葉だな……。