第15章 変化
蛍丸「主……?」
「あっ、そ、そろそろ次にいこうかな」
愛染「主って毎日そうして挨拶ばっかすんの?」
「そうしたいけどさすがに疲れるから、今日の挨拶を終えたら当分はしないかな」
愛染「主はすぐ倒れるって聞いたし無理すんなよ?」
「……うん、ありがとう」
二人にバイバイしたあとは、いろんな人と話をした。
みんな優しくて私を信じようって考えてくれた人やまだ信じられそうにないといろんな人がいたがその辺りは仕方ないと割りきるしかなさそうだ。
初めて話した人ともなんとか挨拶はできたし、一応本丸にいるすべての刀剣に挨拶はできたと、思いたい。
鶯丸のいう……おおかねひら、さん?
あの人がこの本丸にいるかわからないが、あんなに長々と語るほどだ。
とんでもなくすごい人なのだろう。
大きくていろんなものが長くて、髪がすごくて目付きが鋭い……どうしよう、想像できない。
「考えるのはやめよう……」
とりあえず、一通り挨拶は済んだよね。
タブレットを持ってきてないので刀帳を確認できないからなんとも言えないが……
あえて避けて挨拶してない人もいるんだけど……三条の方々がいる方を見る。
一瞬、三日月さんと目があった気がしてすぐに視線をそらすが話しかけられるわけがない。
特に石切丸さんなんて……でも挨拶しないと失礼だし今剣くんと岩融さんには挨拶しておきたいし……誰かついてきてくれないかな。
そう思って周りを見るがそろそろお開きという雰囲気なので無理だと察した。
仕方ない、か。
「あ、あのっ……こんばんは」
今剣「あ、あるじさま!」
緊張しながらも、そばまで近寄る今剣くんが笑顔で抱きついてきてくれて少し和んだ。
子供は純粋でいいなぁ。
小狐丸「ぬしさまっ!」
私の姿を見た小狐丸さんが笑顔になっているのを見て、嬉しくなった。
心なしかあの、耳みたいなところが動いているようにすら見えてきた。
私もいつまでも気にしてないで普通に接するべき、なんだよね?