第15章 変化
堀川「本当は主さんをいじめ……楽しませるためにいろいろ考えてたんですけど、なんだかお疲れのようなのでやめておきます」
「いじめって聞こえた気がしたけど聞かなかったことにしてあげるね」
堀川くんに構ってあげたいが今回はみんなのところを回りたいので早々に離れようと立ち上がると目眩がした。
堀川「ちょっ……主さん、無理せずに座ってたらどうですか」
山姥切「どこかぶつけてないか……?」
「……国広兄弟に助けられてハッピーかもですね」
私の言葉に呆れた顔をする二人にお礼を言ってから私は次の場所に向かう。
目眩と腰痛と眠気と……いろんなものと戦いながらだとそのうちパタリと倒れそうな気がする。
それからは、無理しない程度に頑張ろうと座らずにひょこっと顔を覗かせて挨拶する程度で済ませていると突然誰かに服を掴まれて動きを遮られてしまった。
蛍丸「……主」
「蛍丸……どう、ちゃんと食べてる?」
その場に屈んで首をかしげるも蛍丸はなにも言わない。
ぷくぅっと頬を膨らませて目でなにかを訴えているので、きっと怒っているのだろう。
怒ることといえば……あれか、時間ができたら話そうって約束とか反故にし続けているからだろうか。
「……あ、あのね明日なら時間とれると思うから……」
蛍丸「主のばか!心配したんだよ……どこ探しても主いないし、外に行ったとかいうし……」
「あ……ご、ごめんね……」
今日のことか。
長谷部が本丸中を探し歩いていたというのは燭台切さん他、いろんな人から聞いていたけど……蛍丸もだなんて……
涙ぐむ蛍丸が可愛くてぎゅっと抱き締めると背中に感じた……温もり。
「ん?」
明石「なにしてはるんですか」
「あの、なんですか……今蛍丸と戯れているのですが」
なんだか重たいなって思ったら後ろに眼鏡がいた。
後ろに明石、前に蛍丸……これがサンドイッチというものか。